Tuesday 16 July 2013

アイアントーク

2011年8月10日水曜日

アイアントーク

あの横浜での2日間から1週間以上経ちました。普通の生活を送っていると、あの夜のことがまるで夢だったようなそんな気がします。オーディエンスの立場から動画を作ってみました。パフォーマンスの映像はほとんどありません(なぜならこの目でしっかりと見たかったから!)。AOMのお祭り感を楽しんでいただけたらうれしいです。




普段はyoutubeで見ている、世界トップレベルのアスリートたちを生で見て思ったことがあります。彼らは体格が凄くしっかりしています。レッドブルアスリートに関わらず、トップレベルのプレイヤーはみなトレーニングを積んだ強靭な体つきをしています。やはり、高いレベルの動きをするには、それだけのフィジカルが必要だということなんでしょう。

けど、人間には個人差があります。骨格や神経など生まれ持ったものもありますし、育ってきた環境、やってきたスポーツも違います。同じようにトレーニングをしても、筋肉の発達度合いは違います。外人みたいな体格にならなくてもいいんです。筋肉はあくまで手段にすぎません。自分のやりたい動きやスタイルを踏まえて、そのための体つくりをしていけば良いと思います。

パルクールを始めたばかりの人は自分のスタイルと言われても、ピンとこないかもしれません。それに始めたばかりの時期に自分はこのスタイルが良いと固まってしまうのもよくありません。最初はあくまで基本的なトレーニングをじっくりと継続的に行いましょう。特に最近のパルクールのムーブはジャンプの距離や高さが伸びている傾向にあるので、しっかりとした体作りをしないと、怪我や故障に繋がります。

ある程度パルクールをやっている方も、ずっと同じトレーニングばかりをやるのではなく、新しいトレーニングや別のスポーツのトレーニングを取り入れたりして、常に刺激を与えていきましょう。そして、自分の筋肉がどういう動きに役立っているのか?この動きをしたければ、どこを鍛えれば良いのか?など自分の体に対してもっと敏感になっていくことが大事だと思います。



2011年8月1日月曜日

Redbull Art of motion yokohama 7/30~7/31

7月29日に夜行バスで出発し、30日と31日はイベントやパルクールを楽しみ、本日8月1日の朝に帰ってきました。少し仮眠をとって、このブログを書いてます。この2日間、超絶楽しかったです。AOMだけでも興奮しましたが、全国のトレーサーに会えたり、一緒に練習したりすることも良い思い出になりました。

30日の朝に会場に向かうと、ホテルから出てきた海外勢や日本の出場者たちに会いました。海外勢は凄くフレンドリーに接してきてくれて、一緒に写真を撮ってくれました。実際に生で見ると、しっかりした肉体を持っていて、自らの動きのスタイルを感じさせるような雰囲気が全身から溢れていました。この日は天候が非常に変わりやすく、朝は雨、昼は晴れて、開始直前に雨が降るという、天候がまったく予想できない一日でした。直前で中止になりましたが、出場者たちは地面が塗れた最悪のコンディションの中で色々なパフォーマンスを魅せてくれたり、終了後は外に出てきて来場者と触れ合ったりして、彼らのこのイベントに対する熱い思いに感動しました。

31日はPKTKのJPN Gatheringが開催されました。この中でPKTKのサリーこと佐藤くんが「Parkour」とは何かを全国から集まったトレーサーたちに説明しました。言葉というのはその人が持っている熱意や実際にやっている行動で、大きく説得力が変わってくると思いました。佐藤くんは海外で勉強したり、毎週教室を開いています。今回のお話で普段は少し曖昧にしているような問題も真正面から向き合うところに、彼の強さを感じました。

31日の夜、AOMは開催されました。編集された動画で見るパフォーマンスと生で見るパフォーマンスは圧倒的に違います。会場の雰囲気や歓声、アスリートたちの個性や才能が随所に見られる動きが、すべて重なって、とても熱い空間になっていました。観客を魅せることに重点を置いたアスリート、自分の動きをひたすら追及しているアスリートなど色々なパフォーマンスが見れて、興奮して叫びすぎで喉が痛くなりました(汗)会場には本当にたくさんの人たちが集まっていました。パルクール・フリーランニング・トリッキングなどのプレイヤーだけではなく、いわゆるファンと呼ばれる人たちも多数いました。こういう人たちが出てくるほどにこのジャンルのスポーツたちは有名になったんだなと思いました。

アフターパーティーではアスリートたちも参加し、非常に楽しいパーティーにでした。僕はバスの時間があったので、パーティーを途中で抜け出し、帰りました。会場の外に一歩出ると、大音量の音楽や歓声が鳴り響いていたとは思えないくらいに静かになってしまい、お祭りの後みたいな感じで気持ちよかったです。

メディアの数も少なくはなかったので、このイベントがどういう影響を与えるか楽しみなところです。JPN Gatheringで話されたことやAOMで配られていたParkourに関するフライヤーを読んだ人がいれば、それほどの誤解は生まれないと思います。ただ、あのパフォーマンスだけを注目すると、やはり危険なスポーツと誤解されかねません。アスリートやサブMCのマサがたびたび言ってましたが、「基礎が大事。ゆっくりとそれを積み重ねていくことで、凄いパフォーマンスが出来る」。これは僕自身の意見ですが、みんながみんなRyan DoyleやKie Willisにならなくていいんです。それぞれのライフスタイルやイメージに合わせて、自分の動きやトレーニングをマイペースにやっていくことが大事なことなんです。

こういうイベントが今後も開催されるといいなと思います。モチベーションが上がりますし、全国のトレーサーたちの良い刺激になります。とにかく楽しい2日間でした。参加された皆さん、一緒に練習した皆さん、お疲れさまでした。




Timothy"Livewire"Shieff/Yulaw(Timはめちゃくちゃ良い人!)

2011年7月27日水曜日

階段トレーニング

最近サボっていたので、一日に2回更新します。さきほどの投稿で動きのトレーニングに関してやや抽象的なことを書いたので、今回の投稿では具体的なことを書いていきます。筋トレはよほどのことがない限りは怪我することはありません。しかし、動きのトレーニングはちょっとした失敗が怪我につながることがあります。

パルクールの動画で見るような動きをいきなりするよりも、もっと安全で簡単な方法から始めましょう。一番簡単なのは「階段トレーニング」です。階段はパルクールの動きを安全に学べるもっとも良い障害物です。プレシジョンは、「ジャンプしてつま先で乗る」という動作を繰り返して行うことで練習できます。ヴォルトは階段に手をついて、その段に飛び乗るという動作を繰り返します。手と手の間や手の右側(左側)などのパターンを変えることで、モンキーやトゥーハンドなどの練習になります。階段を何段か飛ばして駆け上るトレーニングはウォールランやティックタックのキック動作を鍛えることになります。または階段の淵でつま先だちすることでバランスを鍛えることもできます。

何よりも素晴らしいのは、階段は自分のレベルに合わせた高さの調節ができるということです。また、どこにでもある障害物なので、仕事や学校に行っているときでも、上手く合間の時間を見つければ、トレーニングできます。(周りの人からどういう目で見られるかは知りません)

意識の順番

動きのトレーニングをするときに、皆さんはどんな意識を持っていますか?多くの人は「越えられたら良い」というところに目的を置いてしまいがちです。そうではなく「安全に素早く越える」というところに置くと、「越える」ことはすでに通り過ぎてますので、高い意識を持って、トレーニングすることができます。

「安全に素早く越える」ということですが、「安全」に「素早く」を一緒にするのは実は難しいのです。なぜなら、「素早く」しようと思うと、勢いをつけます。すると、どうしても体がブレます。ブレると失敗や怪我に繋がります。だから、まず「安全」を意識しましょう。自分がコントロールできるスピードの範囲内で出来る動きをしっかりと練習して、ゆっくりとスピードを上げていくべきだと思います。

初心者の方に多く見られるのは、勢いをつけすぎているために体のコントロールが上手く出来ていません。しかし、それで障害物を越えられているので、これで良いかと終わる人が多いです。これはある程度の経験者に見てもらうか、カメラで自分の動きを撮らないと自覚はできません。自分では勢いをつけていないつもりでも、実はスピードが出ていたということはけっこうあります。自分の中にある動きのイメージと外から見た動きというものは出来だけ近いほうがいいので、カメラチェックや人に見てもらうことはとても大事なことなのです。さらに、フィジカルを鍛えることも重要です。腹筋、背筋、レールバランスなどで体幹を鍛えていくと、体のブレが少なくなり、動きにより安定感が出ます。

「安全に素早く越える」には何よりも自分の体をコントロールすることが大事です。それをするためには高いレベルの筋力、技術、メンタルが必要になります。それを得るために一歩ずつ着実にトレーニングしていきましょう!

2011年7月8日金曜日

シューズレビュー・アディリバード

初めてのアディダスシューズです。今まで足幅が狭いからという理由でアディダスは避けていましたが、このアディリバードはとてもいい具合にフィットしてくれます。メッシュの部分も多く、これからの季節にはお勧めですね。

<クッション>
踵部分にアディプリンというアディダス系シューズ全般で使われているクッション材が入っています。衝撃吸収性に優れていますが、少し重いというのが難点。ただ、このシューズではそこまで重くはないです。

<グリップ>
靴裏を指で触ると異様に噛む感触があります。ステンレスや金属タイプのレールなどの障害物はかなり止まってくれます。プレシジョンで多少ズレても、キープしてくれるくらいのグリップ力はあります。ただ、土や砂が混じると滑りやすくなるかなという印象を受けました。

<値段>
3000~4000円くらいで手に入ります。ナイキのダートと同じクラスの値段です。スポーツ量販店やシューズショップなどで手に入りやすいと思います。

今まで使っていたナイキのダートに比べると、グリップに少しだけクセがあるかなという感じです。

2011年6月28日火曜日

「着地」の話しましょ

最近色々思うことがあって、着地から見直してます。着地と一口に言っても、色々あります。高所からの着地、ロール、技のあとの着地、繋ぎの着地など。それぞれに違うテクニックが必要になりますが、共通しているのは衝撃をいかに必要な部分で吸収できるかです。必要なのはまずフォーム。そして、それをコントロールするテクニックとメンタル。もちろんフィジカルも大事です。つまりしっかりと反復練習をして技術を身につけ、トレーニングを継続して行い筋力をつけていくという「当たり前」のことが大事なんです。着地には当たり前のことをしっかりとやれているかが現れます。

ところが、意外と着地に無関心な人が多いです。Youtubeなどでアップされている日本人の動画を見ていると、体がつぶれたような着地をするジャンプや勢いだけのロールをするシーンがあるのに賞賛のコメントが数多く載せられてます。上手い着地を見分けるのも難しいですが、自分の体を最後まできっちりとコントロールしてからのこそ、パルクールです。ただ跳ぶだけならそれは度胸試しと一緒です。パルクールは度胸試しではありません。

下手な着地の怖さはその代償が後からやってくることです。僕の知り合いの中にもヒザや足腰の障害を起こしてしまった人が結構います。いま大丈夫だからといって、これからさきずっと大丈夫ということはありえないんです。ただ、こうは言っても、今の状態が大丈夫ならピンとこないかもしれません。ある意味、怪我や痛みを覚えないと理解できないかもしれません。でも、そうなった後では遅いので、必要以上に焦らず無理せず、「当たり前」のトレーニングをしっかりとやっていきましょう。

2011年6月10日金曜日

スター誕生

一般の方でパルクールを知っているという人は多くなりましたが、具体的なトレーサーまで知っている人はまだ少ないです。以前だと少数かとは思いますが、ヤマカシ、ダビット・ベル、セバスチャン・フォーカンなどの名前が挙がっていたと思います。今だとダニエル・イラバカやダミアン・ウォルターズ(彼はトリッキング色が強いですが)辺りではなないでしょうか。

メジャーなスポーツとマイナーなスポーツの違いを上げるとすれば、スター選手がいるかどうかです。ここで言うスターとはファンから見た選手ではありません。スポーツのファンではないが、その選手の名前なら知っている程度の知名度を持っている選手のことをいいます。野球、サッカー、バスケ、バレーなどには数え切れないくらいのスターがいます。また、このスター選手というのはそのスポーツのイメージや人気にも繋がってきます。

例えばゴルフ。かつてゴルフは一部の白人男性のお金持ちがやるというイメージが強いスポーツでした。しかし、白人ではないタイガー・ウッズの成功とそれをプッシュしたナイキのおかげで、ゴルフはスタイリッシュなスポーツで一部の階級だけではなく、若い人もプレイできるというイメージが世間に広まりました。日本だと宮里藍を始めとする有名な女子プロや石川遼などのおかげで、若い人を中心にゴルフの人気が高まっています。

人々が持っているスポーツのイメージというのは意外とズレていたり、不鮮明だったりします。そこにスターが現れることで、イメージに新鮮味を与え、興味を持たすことができます。ただ、プレイヤーだけの力でスターになるのではありません。そこにはメディアや企業の思惑が絡み合い、社会情勢などが影響し合い、スターが誕生するのです。

パルクールにはスターがまだ登場していません。ただ、それは色々な要素が複合された結果であり、誰か一人の意思でどうにかなるものでもなりません。逆にスターが出てきたときに、複雑な要素や人々の様々な感情を一人の個人が背負うわけですから、多くのプレッシャーがかかるかもしれません。パルクールにスターが誕生するかはまだ誰にも分かりませんが、将来的に誰かがスターになるようなことがあれば、その人には重圧に負けずパルクールを引っ張っていってほしいです。